2013年1月22日火曜日

アルナーチャラ(アンナーマライ)山とアルナーチャレーシュワラ寺院

◇『シュリー・ラマナ・マハルシと向かい合って(Face to Face with Sri Ramana Maharshi)』 

付録1-ティルヴァンナーマライのアルナーチャラ山とアルナーチャレーシュワラ寺院

アルナーチャラ山

 シュリー・ラマナが50年以上住んだ偉大なアルナーチャラ山は、タミル・ナードゥのティルヴァンナーマライという町にあります。その街自体がアンナーマライ山(*1)にちなんで名づけられ、タミル語で「シュリー」に相当する接頭辞の「ティル」を伴っています。タミル語の「アンナーマライ」という言葉は、「たどり着けない山」を意味しています。「アンナル」は主シヴァの特別の名前であり、彼はその場所に火の柱の姿で現れました。その頂上にも、根元にも近づけないため、それゆえ、たどり着けないのです。そうして、山はアンナル・マライ(マライはタミル語で山を意味します)として知られるようになりました。その言葉はゆっくり訛(なま)ってゆき、アンナーマライとなりました。ポール・ブラントンは、『アルナーチャラからのメッセージ』の中で、アメリカ出身の地質学者の友人が、アルナーチャラは、石炭を産出する地層が形成されるよりもさらに前のはっきりしない時代に、激しい火山の噴火の圧力を受けて地表によって持ち上げられたという見解を抱いていたと記しています。

 周囲約10kmであるその山は、最も高い地点で海抜(およそ)3000フィート(914.4m)の高さまであります。アルナーチャラは、アルナギリとしても知られています。シュリー・ラマナは、アルナは「赤い」、「火のように明るい」を意味すると説明しました。この火は、知恵の火(ジニャーナグニ)です。アーチャラ、もしくは、ギリは山です。ですから、それは知恵の山を意味します。アーディ・シャンカラは、それは伝説のメール山(*2)であると言明しました。

 その本の初めのシュリー・ラマナの人生の概略の中に記されているように、「アルナーチャラ」というまさにその言葉は、どいうわけか、シュリー・ラマナを子供のころから魅了していました。アルナーチャラを尋ね、彼は家を離れました。後に残した短い手紙で、彼は彼の父なる神(Father)を探しに行きますと述べました。彼にとって、アルナーチャラはただの山ではありませんでした。それは絶対的な聖霊(Spirit)の目に見える象徴でした。

 信奉者のお気に入りである彼の詩、アルナーチャラ・アクシャラ・マナ・マーライ(*3)は、「アルナーチャラへの文字で編まれた婚礼の花輪」を意味します。それは婚礼の神秘主義(マドゥラ・バクティ(*4))の好例です。ここでシュリー・ラマナは親しい愛の言葉を用い、主と会話しています。彼はまた、彼の愛しいアルナーチャラに恋焦がれ、おだて、叱り、言い争っています。その詩はシュリー・ラマナによって、1913年、彼が13kmの山の周りを巡っている時に作られました。ギリ・プラダクシナとして知られるこの儀式はシヴァ神の信奉者により熱心に行われ続けています。

 シュリー・ラマナはかつて、「山の聖なる部分からとった石を欲しがる海外からの人もいます。彼は山全体が神聖であることを知りません。山は主シヴァ自身です。我々が我々自身を体と同一視するように、シヴァも彼自身を山と同一視することを選びました」と言いました。

アルナーチャレーシュワラ寺院(*5)

 その名前が示すように、これはアルナーチャラのイーシュワラ(神)、つまり、主シヴァの寺院です。これは南インドでもっとも大きい寺院の一つで、1000年以上経っています。寺院の構造は、本当に驚くべきものです。東の塔(ゴープラム)は217フィート(66.1m)の高さがあります。巨大な寺院には、数多くの神殿、マンダパム、ゴープラム、囲い地があります。

 シュリー・ラマナの最初の伝記作家であるB.V.ナラシンハ・スワーミーによると、シュリー・ラマナは、1896年9月1日の朝にティルヴァンナーマライの駅に降りた後、この偉大な寺院へまっすぐに進みました。彼が最も奥の神殿に進んだ時、彼以外に誰も人はいませんでした。彼は(リンガムの形の)アルナーチャレーシュワラに、「おお、神よ。あなたの招きに従い、私は全てを捨て、やって来ました」と呼びかけました。彼はしばらくの間そこに恍惚として立ち、それから聖域を離れました。シュリー・ラマナのティルヴァンナーマライの最初の数か月の滞在は、この寺院の様々な場所で、深い瞑想の中に過ごされました。

曲:Joy 「Sri Deva Ashtottara Shata Namavalih」

(*1)アンナーマライ山・・・「アルナーチャラ」はサンスクリット語で、タミル語では「アンナーマライ」となります。
(*2)メル山・・・シュメル(素晴らしいメル)やマハーメル(偉大なメル)とも呼ばれる。ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教の宇宙論における聖なる山で、全ての世界の中心とみなされている。主ブラフマーや半神半人の住処でもある。
(*3)http://arunachala-saint.blogspot.jp/2012/01/marital-garland-of-lettersakshara-mana.html
(*4)神を自分の愛しい人に見立て、表わす献身。信奉者を神のすぐ近くに連れてくるとても力強い献身の形。
(*5)アルナーチャレーシュワラ寺院の美しい写真 → http://yutan123.world.coocan.jp/tb/ind/tiruvannamalai.htm

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