シュリー・ナーガンマ著
1946年1月3日
(20) リス
我々の同胞であるリスが、どれほどバガヴァーンに対して勝手気ままに振舞っているか、あなたは知っていますか。二、三年前、リスたちの中に、一匹とても活発ないたずらっ子がいました。ある日、たまたま彼が食べ物を求めてやって来たとき、バガヴァーンは読書か何かで手がいっぱいだったため、彼に食べ物を与えるのが少し遅れました。そのいたずらっ子は、バガヴァーン自身が彼の口にもっていかないと何も食べようとしませんでした。おそらくは遅れたことに怒って、彼は不意にバガヴァーンの指を少し噛みましたが、バガヴァーンはそれでも彼に食べ物を与えませんでした。バガヴァーンは面白がり、言いました。「あなたは悪い子ですね!私の指を噛みました!もうあなたに食べ物をあげません。行きなさい!」 そのように言って、彼はそのリスに数日食べ物を与えるのをやめました。
その子が静かになんかしているでしょうか。いいえ。彼はあちらこちらをはい回って、バガヴァーに許しを請い始めました。バガヴァーンは窓台とソファーにナッツを置き、彼に自分で食べるように言いました。でも、ダメです。彼はそれに触れようとさえしません。バガヴァーンは無関心を装い、気づかないふりをしました。しかし、彼はバガヴァーンの足にはい上がり、体に飛び乗り、肩によじ登り、注意を引こうとたいそう多くのことを行いました。その時、バガヴァーンは我々みなに言いました。「ほら、この子は私の指を噛んだいたずらを許して、私が手ずから彼に食べさせようとしないことをやめるよう私に頼んでいますよ」。
「悪い子ですね!どうして私の指を噛んだのですか。もう、あなたに食べものをあげませんよ。これはあなたへの罰です。ほら、ナッツはあそこです。全部食べなさい」と言って、彼はリスを数日間追い払いました。リスもまたその頑固(な態度)をやめようとしませんでした。何日か経ち、信奉者への慈悲ゆえに、バガヴァーンはついに敗北を認めざるをえませんでした。信奉者が救いを得るのは粘り強さを通じてだと、その時、私に思い浮かびました。
そのリスはそれで終わりませんでした。彼は大勢の仲間を集め、ソファーの真上の講堂の屋根に巣を作り始めました。彼らは梁に糸くずやココナッツ繊維などを詰め込み始めました。風があるときはいつでも、そういったものがよく落ちてきたものでした。そのため、人々は怒り、彼らを追い払い始めました。バガヴァーンは、しかしながら、リスたちが巣を作るための十分な場所がなく、講堂の人々が彼らを追い払っていることを思い、心を痛めていました。そのような存在への彼の愛情の深さを理解するには、ただ我々はそのような機会にバガヴァーンの顔を見さえすればいいのです。
私がいつもの手紙の中でリスたちについてあなたに書いたことをバガヴァーンに伝えると、彼はいかにも楽しそうに言いました。「そのリスたちについては壮大な物語があります。しばらく前、彼らは私の上の梁の近くに巣を持っていたものでした。彼らは子、孫をもうけ、そうして彼らの家族のメンバーはとても多くなりました。彼らは好きなようにこのソファーの上で遊びまわっていたものでした。私がいつもの散歩に出かけたとき、枕の下に隠れる子供のリスたちがいました。私が戻り、枕にもたれたとき、彼らが押しつぶされることがありました。我々はこの光景に耐えることができなかったので、マーダヴァはリスたちを巣から追い出し、その上に木の板を打ち付けてふさぎました。人が彼らのことを書きたいと思うなら、彼らに関する多くの出来事があります」。
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バガヴァーン・ラマナ・マハルシとリスたち
上記の訳文と重複しない部分のみ
ジャダ・バーラタ賢者は、亡くなる際に彼の飼っていた鹿への束の間の思いに襲われ、最後に残った愛着を払いのけるために鹿として再び生まれなければならなかったとプラーナに記されています。
バガヴァーンは、運命によって彼と触れ合うよう導かれた動物たちに対して、人々に対するのと同じ気遣いを示しました。そして、動物たちは人間に劣らず彼に魅了されました。
食事時には、アーシュラムの犬たちに最初に食べ物が与えられ、次にやって来た物乞いたち、最後に信奉者たちというのが正規のアーシュラムの規則でした。彼は決して動物を「それ」と呼ばず、いつも「彼」や「彼女」と呼びました。「若い衆に食べ物をあげましたか」-彼が言及していたのはアーシュラムの犬たちだったでしょう。「すぐ、ラクシュミーにお米をあげてください」-彼が意図したのは牝牛のラクシュミーでした。
クリシュナ・ビクシュという信奉者がかつて彼に尋ねました。「我々が夕食の葉っぱをそんなに几帳面に片づけてしまったら、犬や猫、サルやネズミやアリが飢えてしまうでしょう」。
バガヴァーンは答えました。「なるほど、あなたがそれほど慈悲深いのなら、あなた自身が食事をとる前に動物たちに食べ物を与えてはいかがですか。彼らがあなたのこそげ落としたものをおいしく食べると思いますか」。
バガヴァーンは言いました。「我々はどのような魂がこれらの体に居住しているのか、どの部分の彼らの終わっていないカルマのために彼らが我々との交際を求めたのか知りません」。
バガヴァーンが旧講堂にいたとき、彼は文字通りリスたちに囲まれていました。彼らは彼の寝椅子じゅうを、彼の体の上を、彼の枕の下さえも駆け回ったものでした。
バガヴァーンは、彼の体の体重で押しつぶされるリスがいないように、座ったり、もたれたりする前に非常に気を付けなければなりませんでした。
旧講堂の屋根に、リスたちは巣を作ったものでした。かつて、生まれたばかりのリスたちがバガヴァーンのソファーの上に落ちました。彼らの目はまだ開いておらず、それぞれの赤ちゃんの大きさは1インチ(2.54cm)以上ではなかったかもしれません。彼らは真新しい肉体で真っ赤な色をしていて、触れるには全く華奢でした。母リスは彼らを無視しました。さあ、どうしたらいいのですか。そのように華奢な生き物にどうやって食べ物をやって世話すればいいのですか。
赤ちゃんリスは、バガヴァーンの手のひらにいました。バガヴァーンの顔は彼らへの愛情で輝きました。バガヴァーンを取り囲む人々の顔にはクエスチョン・マークがありましたが、彼自身はうれしそうで、朗らかでした。彼は綿をいくらか持ってくるよう頼みました。彼は彼らのために柔らかいベッドを作りました。彼はまた少しの綿を手に取り、先がとても細くなるまでひねり、先端部分は鋭い針のように見えました。
彼はそれを牛乳に浸し、その小さな口にそれを絞り出しました。一定の時間ごとに、バガヴァーンはこの慈悲の行いを繰り返しました。彼らが成長し、走り回るまで、彼は大変な気遣いと愛情をもって彼らを世話しました。彼らは逃げ出さず、ただ彼らの「母親」の周りを走っていました-彼ら自身の母親よりもはるかに優しい(母親の)!
バガヴァーンの講堂で、ダルシャンは人間の独占物ではありませんでした。決まった時間に、リスたちは講堂のそばの大きな木から降りてきて、その正当な分け前を要求しました。美しい孔雀もまたその後に続きました。バガヴァーンはとても優し気に彼らのほうを見ました。「あぁ、お腹が空きましたか!」と彼は言い、いくらかナッツと穀物を彼らに与えました。母親に食べ物を与えられた後の子供のように、その後、彼らは幸せそうに立ち去ったものでした!
時々、リスたちは寝椅子をよじ登りってきました。バガヴァーンは彼らを優しくなで、手に入るものをなんでも彼らに与え、リスたちは誰の邪魔をすることもなく立ち去ったものでした。
かつて、猫が若いリスたちの母リスを食べました。再び、バガヴァーンは若者たちの世話をする仕事を引き受けました。彼は信奉者たちに教えるために日常の出来事を使うことを好んだため、彼らに言いました。
「この小さい子たちは、知恵が巣の中に留まることにあることを知りません。彼らは外に出ようとし続けます。一切の苦しみは外にあるのですが、彼らは内に留まれません。同様に、心が外に向かわず、ハートの中に沈んだままでいるなら、その時、幸福のみがあるでしょう。しかし、心は出て行き続けます」。
ランガスワーミーが、「心を内に保つための道は何ですか」と尋ねた時、バガヴァーンは言いました。
「私が今していることと全く同じです。若いリスが出ていくたびに、私は巣の中に戻し続けています。私がそれをし続けるなら、彼は巣の中に留まる幸福を学びます」。
リスたちは、カシュー・ナッツを求めてバガヴァーンのソファーの方にやって来ました。バガヴァーンの近くの缶の中によくあったナッツは空になっていました。代わりに、ピーナッツが与えられました。リスたちはそれを食べようとせず、ありとあらゆる方法で不満を表し始めました。「私たちは持ってないんですよ、皆さん。どうしたらいいのですか」とバガヴァーンは言い、彼らをなだめました。ダメです。彼らはなだめられようとはしませんでした。不満の印として、彼らはバガヴァーンの手足をはい回り続けました。
そのため、バガヴァーンは、貯蔵庫にカシュー・ナッツの蓄えがあるのか行って、見つけてくるようクリシュナスワーミーに頼みました。クリシュナスワーミーは行って、ナッツを2、3個持ってきました。「それで全部ですか」とバガヴァーンは尋ねました。クリシュナスワーミーは、彼らがその夜パヤサムの支度をしていて、それだけしかあげられないと言いました。バガヴァーンはムッとして、言いました。
「なるほど。カシュー・ナッツの量がいつもより少し減れば、パヤサムは味わいが減るでしょうね。かわいそうに。このリスたちは(カシュー・ナッツ)以下のものを好まず、私にせがみ続けています。倉庫の管理人はパヤサムに入れなければならないと言って、カシュー・ナッツをあげるのを断りました。パヤサムの中にカシュー・ナッツがなければ、誰が迷惑するのでしょうか。カシュー・ナッツがないために、この子供たちがどれほど気をもんでいるのか御覧なさい!」
そうして、パヤサムに入るべきカシュー・ナッツは、リスたちの腹の中に入り、また、(将来、リスたちに食べさせるために)彼のそばの缶に入りました。
その日の夕方、アナンタナーラーヤナ・ラオ医師がマドラスから2ヴィサ(約4.5kg)のカシュー・ナッツを持ってきて、リスたちのために持ってきたと言いました。微笑んで、バガヴァーンはクリシュナスワーミーに向かって言いました。
「これを御覧なさい。彼らは欲しいものをなんでも得ます。あなたに懇願する必要はありません。このカシュー・ナッツは彼らの所有物です。注意深く保管しておいてください。貯蔵庫に引き渡されないように注意してください」。
年齢とリューマチのために、バガヴァーンは杖の助けを借りて歩き始めなければなりませんでした。ある日、彼がアーシュラム敷地へと2、3段(階段を)降りようとしていると、アーシュラムの犬に追われるリスが彼の足元を走り抜けました。
彼は犬に呼びかけ、杖を彼らの間に投げました。その際、彼は足を滑らせ、倒れたことで鎖骨を折りました。犬は気を散らされ、リスは助かりました。
信奉者を保護するとき、バガヴァーンは己の身の安全を気にかけませんでした。それは一匹のリスでしかないかもしれませんが、彼にとって一番の関心事は彼の友人であるリスを守ることでした。彼自身の身の安全には全く関心がありませんでした。
別の機会に、ペットのリスたちの一匹が外に走り出す機会を待ち構えていました。バガヴァーンは述べました。
「皆が外に駆け出したいと思います。際限なく外に出て行きます。幸福は内にあり、外にはありません」。
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