2018年7月7日土曜日

ビルヴァの実の物語 - 万物は実在かつ意識なるブラフマンである

◇「山の道(Mountain Path)」、1976年7月、p165~166

『ヨーガ・ヴァーシシュタ』からの物語-Ⅸ


ビルヴァの実の物語

M.C.スブラマニアンによるサンスクリット語からの翻訳

ラーマはヴァーシシュタに言った:
 神酒のごときあなたの言葉に私は飽きることがありません。おお、ブラフマンよ!真理を体現する別の物語をどうか私に教えてください。

ヴァーシシュタは言った:
 何らかのものを所有することで人が感じる喜びは、つかの間のものです。誰がこれを体験していませんか。あるものが魅力的であるのは、人がそれを所有したいと望むうちだけです。子供以外の誰も、それゆえに、つかの間の楽しみを渇望しないでしょう。何かを得ることで人が感じる楽しみは、渇望すること自体から生じます。喜びが続くのは、喜びの欠如が存在するうちだけです。それゆえに、一切の欲望を放棄しなさい。人が何物にも愛着しないとき-欲望は欲望でなくなり、思いは思いでなくなり、心は心でなくなります。
 
 あなたがいかなる類の期待もなく務めを行うなら、あなたはそれによって決して影響されないでしょう。たとえ何百もの混乱の機会が生じても、あなたは空のごとく澄み渡って(安らかで)いるでしょう。心が活動的になる時、サンサーラは始まります。心が乱されなくなる時、それは終わりを迎えます。

 欲望(ヴァーサナ)の流れを阻止することによるか、呼吸を制御することによって、心を静止させられます。どちらでも好むほうを修練しなさい。命の息(プラーナ)の揺れ動きによってもサンサーラは存在するようになり、命の息が揺れ動かなくなる時、それは終わりを迎えます。ですから、修練によってそれを静止させなさい。

 無知が落ち着きのなさを生じさせ、が安らぎを生じさせます。グルの言葉に耳を傾け、聖典の意味を理解し、熱心な努力をするなら、あなたは無知を乗り越えられるでしょう。心が外側に向かうことが妨げられるか、呼吸が制御されるかするなら、心は心でなくなるでしょう。この(無心の)境地が最上の境地です。感覚(五感)がその対象と接触するときに感じる喜びは、実際、自らの喜びでしかありません。

 自らに集中することによって、人は己がブラフマンであることを悟ります。心は、その時、心でなくなります。心が生じないその境地は、至高なる至福の境地です。この境地が継続的に努力なく維持されるとき、心は生じることも沈むこともありません。(ブラフマン)を知った者の心は、もはや心ではありません。それは真理現実)です。無知な者の心は、ブラフマンでなく、多くのものを掴みます。ジニャーニの心は、ブラフマンのゆえに、(錬金術によって)黄金になった銅に似ています。彼の心は、時おり俗事に巻き込まれても、第四の状態(トゥリーヤ)に入り、トゥリーヤを超えている純粋な意識のままあります。

 多様性からなる広大な世界として現れているものは、ブラフマンです。ブラフマンは万物です。他に何ものも存在しません-心さえも(存在しません)。他の一切のものは想像です。これを明確にあなたに理解させるであろう素晴らしい短い物語をあなたに語りましょう。とても大きいために何千マイルにも及ぶビルヴァの実が存在します。計り知れない長い年月の間でさえ、それは汚れなく、腐りません。それははるか古(いにしえ)のものですが、三日月のように新鮮で、魅力的です。カルパの終わりの猛烈な嵐によってさえ、それを動かすことはできません。それはとても大きいため、何百万もの人々によってさえ切ることができません。それは世界の根本原因です。

 (種々の)広大な世界は、その側に置かれるとき、山のふもとの黒からし種のように見えます。それは(木から)落ちるのに十分なほどに決して熟れません。そして、それは(食べられるに)十分熟しており、決して腐りません。全ての実の本質を含む、この大きな実は、その内に素晴らしい知性の力を保持しています。この力のために、それ自身(知性)と同種の(世界)を徐々に創造しようという意思が存在するようになります。これは活動的になり、最初に時間と空間を創造します。その後、この世界と空間のこれら(種々の)方向が引き続いて存在するようになります。それらはそのビルヴァの実の素晴らしい果肉です。

ラーマは言った:
 全知なるバガヴァーンよ!あなたによって描かれたビルヴァの実とは、(ブラフマンである)実在-意識であると私は理解します。この自我も、全てのものも、意識です。それから離れて何も存在しません。ですから、合一や二元性の可能性は存在しません。メール山は、かぼちゃの果肉のように、この世界である、その実の内にあります。この世界は、純粋な意識なるビルヴァの実の果肉です。

0 件のコメント:

コメントを投稿