2017年1月12日木曜日

ライオンに捕らわれしウサギたちへの保証-バガヴァーンは「ここ」にいる

◇『The Call Divine(召命)』 Volume XVI、Book 5、1968年1月1日、p318~319

論文集-預言者と詩聖

. バガヴァーン・シュリー・ラマナ・マハルシ

G.V.クルカルニ著 文学修士、博士

 私は肉体的な目でバガヴァーン・ラマナ・マハルシを見る機会はありませんでしたが、幸運にも彼の最も近しい信奉者たちの幾人かと交流があります。「建築請負人・アタヴァレ」として知られる、シュリー・バウサヘブ・アタヴァレは、彼らの中の一人です。彼は親切にもバガヴァーンの人生における、これまで記録されてこなかった興味深い出来事を教えてくれます。

 信奉者と訪問者は、バガヴァーンの面前でとても幸せに感じたものでした。彼らは彼への愛で満ちていました。とりわけアーシュラマムでの安らかな滞在の後の別れの時、彼らは非常に残念に思ったものでした。シュリー・アタヴァレもまた、かつてバガヴァーンと別れなければならなかった時、同じ気持ちを抱きました。目に涙が押し寄せ、彼の前で平伏し、自分が見捨てられないよう、また自分が見捨てられたとも感じないよう彼は懇願しました。バガヴァーンは、いつものように、優雅に微笑み、彼がいつも信奉者と共にいることを彼に請け負いました。彼は言いました。「なにしろ、ライオンがウサギたちを捕まえているのですから。ウサギはあちらこちら自由に動き回れますが、今やライオンから逃れられません。ライオンはウサギを見張り、その手の届く範囲から出ることを決して許しません。あなたはそのウサギで、私はライオンです。どうして心配するのですか」。シュリー・アタヴァレは非常に安心し、元気よくバガヴァーンに別れを告げました。

 国の他の地方からの信奉者がマハルシを訪ねた時はいつでも、彼はその地方の聖者たちの偉大さに言及しました。彼はシュリー・アタヴァレがマハーラーシュトラ出身であることを知っていました。そのため、かつてバガヴァーンは彼に言いました。「マハーラーシュトラは我々にとても偉大な聖者たちを授けています。ジニャーネーシュワル、トゥカーラム、ラームダースなどに関して、我々はマハーラーシュトラに多大なる恩義があります。我々は彼らの偉大な靈的達成の影の下にいます」。大変な関心を持ってジニャーネーシュワルの「アムリターヌバヴァ」(不死なる体験)を読んだ後、歓喜の念をもって、彼はその作品を頭に乗せ、述べました。「ジニャーネーシュワルは正しくも聖者らの母と呼ばれています。なんと絶妙に素晴らしく、偉大なのですか、その作品は!」また別の機会に、シュリー・アタヴァレは彼の前で聖者トゥカーラムの有名な歌(アバング)を朗唱しました-Mana Kara re Prasanna, Sarva Siddheeche Karana(心を快活に保て。それは全ての靈的達成の原因である)。バガヴァーンはそれをたいそう気に入ったので、彼はシュリー・アタヴァレに何度も何度も復唱するよう求めました。バガヴァーンはたいそうこの歌に夢中だったので、彼自身がそのマラーティ語の歌から数詩節を朗唱しました!

「エーカ・タットヴァ・ナーマ」、ジニャーネーシュワル・マハラジのマラーティー語のアバング

 バガヴァーンは形式主義のから騒ぎを決して好みませんでした。シュリー・アタヴァレは、他の多くの人のように、彼の前でしばしば平伏する癖がありました。バガヴァーンは言いました。「あなたが一度平伏すれば、私はあなたの謙遜と尊敬の念を理解できます。どうして再びそのようにするのですか。それは悪い癖です。誰が誰の前で平伏しているのか、はじめに知りなさい。そうでなければ、それはある丸太の前で地面に置かれた別の丸太のようです」。シュリー・アタヴァレは、以来、平伏の真意を知り、その「悪い癖」は治りました。

  「どこに私が行くのですか。私はここにいます」は、体の死が近づいた時のバガヴァーンの有名な発言です。そして、訪問者は彼の神殿で彼の力強い存在を確かに感じます。彼のマハー・サマーディの後、この存在を感じただけでなく、実際に彼本人に会うという幸運に恵まれた信奉者たちもいます。シュリー・アタヴァレはその中の一人です。バガヴァーンのマハー・ニルヴァーナの日、彼はラマナーシュラマムにいました。奇妙な陰鬱な気持ちと入り混じり、沈黙が至る所に行き渡っていました。その日の間、全ての人がその悲劇的光景と肉体的別離に耐えることができました。シュリー・アタヴァレもまたできました。しかし、真夜中に、ベッドの上に座り、彼が瞑想しようとした時、彼は耐えられず、バガヴァーンの肉体的別離の苦悶を激しく感じました。彼の目から涙がしたたり落ち、彼は無力感を覚え、見捨てられたと感じました。何もかも彼の力の及ぶところではありませんでした。突然、足音が聞こえ、誰かが近づいてきました。そして、カーテンを開け、手提げランプを掲げ、優しい愛情のこもった声で彼に言いました。「どうしてそんなふうに泣いているのですか。私はここにいるとあなたに言いませんでしたか」。それはバガヴァーン・ラマナ自身でした!こうして、そのヴィジョンによって、バガヴァーンはシュリー・アタヴァレを祝福し、安心させました。

同じくジニャーネーシュワルによる「エーカ・タットヴァ・ナーマ」、映画から

0 件のコメント:

コメントを投稿