2015年3月17日火曜日

『A Search in Secret India』 第8章 ④スブラマンヤとの再会

◇『秘められしインドでの探求(A Search in Secret India)』 邦題:秘められたインド

 私が家に戻ったのは、ほとんど真夜中だった。私は頭上を最後にちらっと見た。数えきれない無数の星々が、広大な空の丸天井にちりばめられている。このように圧倒的な数の星々は、ヨーロッパのどこでもお目にかかれない。懐中電灯を照らしながら、私はベランダに続く階段を駆け上がった。

 暗闇から、うずくまっている人影が立ちあがり、私に挨拶した。

 「スブラマンヤ!」 驚いて、ビクッとなり、私は叫んだ。「ここで何をしているのですか」。黄褐色のローブをまとった、そのヨーギは、彼の歯を見せたとても素晴らしい笑顔の1つを、思う存分、浮かべていた。

 「あなたを訪問すると約束しなかったでしょうか」。彼はとがめるように私に思い出させた。

 「そうでした!」

 広い部屋の中で、私は彼に質問を浴びせた。

 「あなたの師は-彼はマハルシと呼ばれていますか。」

 驚愕して、後ずさりするのは、今度は彼の番だった。

 「どうして知っているのですか。どこでそれを知ることができたのですか。」

 「まあ、いいじゃないですか。明日、私たち二人は彼の住まいに向けて出発します。私は計画を変更します。」

 「それは嬉しい知らせです。」

 「それでも、私はそこに長くは滞在しないでしょう。おそらく2、3日です。」

 私は次の半時間、彼に質問をもう二つ、三つ浴びせ、その後、疲れきって、床に就いた。スブラマンヤは、床に敷いた一枚のヤシのござの上で眠ることに全く満足していた。彼は自分自身を薄い綿の布でくるみ、それは同時にマットレスとシーツと毛布として役立った。彼は私のもっと快適な寝具の申し出に見向きもしなかった。

 気づいてみると、私は突然目覚めていた。部屋は真っ暗だった。私は神経が妙に張りつめているのを感じた。私の周りの空気が、帯電しているように見えた。私は枕の下から時計を引っ張り出し、ラジウムに照らされた文字盤の輝きによって、時間が3時15分前だと知った。私がベッドの足元で光る何かに気づいたのは、その時だった。私はすぐさま起き上がり、それを真っ直ぐ見た。

 私の驚愕した目が、聖下シュリー・シャンカラの顔と姿に合う。それははっきりと、間違いなく目に見える。彼はこの世のものではない幽霊のようではなく、むしろしっかりした人間のように見える。その人物の周りには不可思議な輝きがあり、周囲の暗闇からそれを分け隔てている。

 いくらなんでも、この光景は不可能なものではないのか。私はチングレプットで彼と別れたのではなかったか。私は問題を吟味するために目を固く閉じた。何ら変わりなく、私は依然として彼を全くはっきりと見た!

 私は恵み深く、親しみを感じる(超自然的)存在の実感を得ている、それで十分としよう。私は目を開け、ゆったりした黄色のローブを着た優しそうな人物をじっと見た。

 表情が変わった。というのも、口元がにっこりし、次のように言っているようだった。

 「謙虚でありなさい。そうすれば、あなたは、あなたが探し求めるものを見出すでしょう!」

 どうして私は、生きている人間がそのように私に話しかけていると感じたのか。どうして私は、少なくともそれを幽霊とみなさなかったのか。

 その光景は、それがやって来たのと同じように不可思議に消え去った。それは、その超常的性質によって、私を意気揚々と感じるままに、幸福に感じるままに、落ち着きを感じるままにしておいた。夢としてそれを退けたらいいのか。どうだっていいではないか。

 その夜、私はそれ以上眠ることができなかった。私は目を覚ましたまま横になり、その日の出会いについて、クンバコナムの聖下シュリー・シャンカラ、南インドの素朴な人々にとっての神の大司教との忘れることのできない対談について思いを巡らした。
 

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