2016年1月14日木曜日

タパスに最適な聖地、家(心)の中のがらくた(ヴァーサナー)を一掃せよ

◇「山の道(Mountain Path)」、1964年1月 p21~22

兄への手紙-1

あなたがいるところに留まりなさい

ナーガンマ著
ナーガンマは、バガヴァーンの存命時にここで生活していたアーンドラの女性です。彼女の兄もまた優れた信奉者でしたが、マドラスの銀行の支店長であったため、時折ここに訪問することしかできませんでした。そのため、バガヴァーンの言動の報告を彼に書き送ることがナーガンマの習慣になりました。それらの手紙のいくらかは本としてまとめられ、アーシュラムから出版されていますが、以下のものはまだ英語で出版されていないものです。
1947年9月10日

 今朝の10時15分前、バガヴァーンが午前半ばのいつもの短い散歩に出かけようと立ち上がろうとしたちょうどその時に、アーンドラの若者が寝いすに近づき、言いました。「スワーミー、私がここにやって来たのは、タパスを行いたいと思い、そのための良い場所はどこなのか知らないからです。その目的のために、あなたが私に言うところどこにでも私は行きます」。

 バガヴァーンは答えませんでした。彼は前かがみになりながら、足と膝をこすりました。それは足と膝のリューマチのために、散歩を始める前に彼がしばしばすることでした。彼は静かに一人微笑んでいました。我々は、もちろん、彼は何を言うのだろうかと心待ちにしていました。少しして、彼は散歩の時に体を支えるために使う杖を手に取り、若者を見て、言いました。「どこに留まるべきかどうしてあなたに言えるでしょうか。あなたがいるところに留まることが最良です」。そして、微笑みながら彼は外に出ました。

 若者は困惑しました。「これはどういう意味ですか」と彼は声を上げました。「年長者であるため、私が留まることのできるどこかの聖地を彼が教えてくれると思っていましたが、そうするどころか、彼は私がいるところに留まるよう私に言いました。私は今、この寝いすのそばにいます。それは私がここに留まるべきだということですか。私が彼に近づいたのは、そのような返答を受け取るためでしたか。これは冗談か何かですか」。

 信奉者の一人が彼を講堂から連れ出し、説明しました。「バガヴァーンが軽い調子で何か言うときでさえ、その中にはいつも何か深い意味があります。『私』という実感が生じるところが、人の自らです。タパスとは、自らがどこにあるか知り、そこに留まるという意味です。そのために、人は自分が誰か知らなければなりません。それでは、人がどこに留まるかが問題になりますか。それが彼が意図したことです」。彼はそうして若者をなだめ、彼を追い払いました。

 同じように、ある人が昨日、尋ねました。「スワーミー、どうすれば我々はアートマを見つけられますか」。

 「あなたはアートマの中にいます。ですから、それを見つけることにどうして困難があるでしょうか」とバガヴァーンは返答しました。

 「あなたは私がアートマの中にいると言いますが、アートマは一体どこにあるのですか」と質問者は食い下がりました。

 「あなたがハートの中に留まり、辛抱強く探すなら、あなたはそれを見つけます。」

 質問者はまだ満足していないようで、彼のハートの中には彼が留まるための空き場所がないという、ずいぶん興味深い異議を唱えました。

 バガヴァーンはそこに座っている信奉者の一人のほうを向き、微笑みながら言いました。「彼がアートマがどこにあるのかどれほど心配しているのか御覧なさい。彼に何が言えるでしょうか。アートマとは何ですか。それは全てに行き渡っています。それは『ハート』と呼ばれていると私が彼に言うと、その中には自分が留まるための空き場所がないと彼は言います。私に何ができるでしょうか。ハートをヴァーサナーでいっぱいに満たした後、ハートの中に空き場所がないと言うことは、セイロン島ほども大きな家の中に座るための空き場所がないと不平を言うことのようです。全てのがらくたが投げ捨てられるなら、空き場所はありませんか。体そのものが、がらくたです。この人たちは、家の全ての部屋をその体に必要のないがらくたできっしり満たし、その後で家の中に体のための空き場所がないと不平を言う人たちのようです。同じように、彼らは心をあらゆる類のヴァーサナーで満たし、その後、その中に自らのための空き場所がないと言います。あらゆるヴァーサナーが一掃され、投げ捨てられるなら、十分な空き場所があり、それは全てアートマとなります。その時、分離した『私』というようなものは存在しません。それでは、空き場所がどうして必要ですか。誰がその空き場所を占拠するのでしょうか。目を閉じて、太陽がないと言うのとまさしく同様に、自らを探求をせずに、彼らは『空き場所がない、空き場所がない!』と言います。私に何ができるでしょうか」。

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